池袋パルコミュージアム「開田裕治の機動戦士ガンダムギャラリー」

先日、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」で紹介されて、職場の近くだったので、早速行ってきました。

入場料一般500円でノベルティグッズまで貰えて、これは実質的に無料と言わざるをえません。さらに、チケットがあれば飲食フロアでの特典もあるので、冗談じゃなくて、実質無料になるのです。

それはともかく…

個人的に良かったのが、まずハイゴッグです。開田さんの最初のガンプラパッケージ作品であるアッガイの爪をグワっと開いたポーズにも通じるものがあります。まあ、出渕さんのデザインが好きだというのもあるのですが、この「怪獣感」ですよ。ガンダムだけでなく、怪獣もののイラストも多く手掛けている開田さんの本領発揮というところでしょう。アニメに登場したシーンを踏まえたものというのも、意外に珍しいのではないでしょうか。

↓これのパッケージ


あと、V2ガンダムが印象的でしたよ。ロボットもののプラモデルのパッケージですから、普通は全身を分かりやすく描く構図を選択すると思うんですよ。でも、このV2ガンダムはほぼ上半身。それによって、胸部から広がるイエローの「V」字がシャキーーーンと目に飛び込みます。パッケージで商品タイトルなどが入った状態だと、そこまでではないかもしれませんが、こうやって原画になると際立ちますね。

↓これのパッケージイラスト

あと、ガンダムシリーズでは異色作かもしれませんが、Gガンダムでは、ガンダムvsガンダムという作品の特徴を反映して、それぞれのパッケージも、ガンダムvzガンダムの構図になっています。対決シーンになると、どうしてもロボット同士が重なる構図になってくるので、メインとなる商品のガンダムをどう見せるのか、なかなか難しそうな仕事ですよね。

時代的に、初期はリキテックス(アクリル絵具)で描かれていたものが、後にはデジタルになっていくわけですが、初期の作品の方が3D感があるような気がしました。デジタルの方は「1枚の絵」という感じが強いんですよね。だからこそ、コントラストを強めに描かれているんじゃないかと。

Hi-νガンダムの制作過程がビデオで流れていましたが、最初は、プラモ制作用のCADデータから線画を抽出するんだそうです。でも、それだと、そもそものデザイン画とは違っていたり、不自然だったりするので、それを補正していくとのこと。

昔は「自分がこう感じた」「ここがカッコいい」みたいなイメージがまずあって描き始めるから、厳密にはリアルじゃないかもしれないけど、見せたいところがデフォルメされて、やたらカッコいい…ということになるのではないでしょうか。

そういう点でカッコよかったのが、二刀流で大見得を切る武者ガンダムMk2でです。

開田さんのパッケージイラストは、ミリタリーもののような泥くさいリアルさでもなく、かといって3Dグラフィックのような無機質なリアルさでもなく、「アニメの1シーンをさらに濃密に描いたらこうなる」というリアルさなのかな、と感じました。だからプラモを作る人が、そのままパッケージのシーンを再現したくなるような絵、つまり「1枚のジオラマ」なのではないでしょうか。