ももいろクローバーZ「天国のでたらめ」

来年5月発売のアルバムからの、5カ月連続先行配信第3弾「天国のでたらめ」の配信が開始されました。ミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」の挿入歌として、その世界観にあわせて書き下ろされた曲。つまり、これまで劇場に足を運んだ人だけだけが聴けた曲を大公開、ということですね。

物語に合わせて、「生まれ変わってもまた会おう」系の歌詞です。

 歌い出しの歌詞から、面白いですね。

 あの日描いた夢を仮に(A)として この未来を(B)とする

 つまり、この歌詞における「現在」は、「未来」なんですね。でも、現在のことを「未来」と呼ぶということは、気持ちの立ち位置は過去にあるということでもあります。

僕を思い出せるように いやになるほど見つめてね 忘れないでね ずっと

ここでは、単に過去を振り返るのではなく、過去の「きみ」に、現在進行形で語りかけているもの。
そして、前半パートの最後は、

来世もよろしく ずっと

過去の2人でも現在の2人でもなく、来世についての希望を述べている。逆に言えば、現在は「よろしく」と言える状況にはないということ。

「ぼく」は時間を超越した世界にいるのでしょう。「きみ」より先に命を失って、別の次元で過去の「きみ」と「ぼく」を俯瞰で観ながら、来世での出会いを願っているのでしょうね。 もう、直接「きみ」に語りかけることはできないけど…あぁ、切ない。

「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」の舞台上の彼女たちは、「生まれ変わっても」なんて考えることもなく事故にあってしまったので、この歌詞のようなことは思ってもみなかったでしょうね。

転生するまでの、魂が彷徨っている間、長い長い一瞬のことを歌った歌のように感じました。

ところで、この曲、リピート設定で繰り返し聴いていると、前半パートと後半パート、どちらが先でどちらが後か、分からなくなってきます。 順番が入れ替わっても、しっとりと入って、後半から盛り上げる曲になって、それはそれで成立しているように思えます。

そういう意味でも、永遠に続く輪廻の曲ですね。