映画「アントマン&ワスプ」

「母(妻)を探してクオンタム」ですね。 

前作でスコットが量子世界からの帰還に成功したため、かつて量子世界に取り込まれて還らぬ人だと思われていたハンク・ピム博士の妻、ホープの母であるジャネットを救出することができるんじゃないか、という話。時間軸的には、シビル・ウォーとインフィニティ・ウォーの間です。

 これが本作のメインストーリなので、普通のヒーローもののように、倒すべき強敵がいません。いや、アントマンチームと、武器商人バーチのチーム、そして謎の存在ゴーストのチームの三つ巴に、FBIが絡んでくるので、まったく敵がいないわけではありません。しかし、彼らの目的は、「金儲け」「自分の体を治したい」ですから、たまたまアントマンチームが邪魔になっているというレベルの話。 

ゴーストに至っては、その境遇から「仕方なく敵役になってしまった」系ヴィランなので、今後の展開次第では、味方にだって成り得る存在。今後も、量子のゆらぎのように、敵なのか味方なのか揺れ動くのかもしれませんね。なかなか魅力的なキャラクターだと思います。 

アントマンも前作では小さくなるだけだったのですが、今作では大きくなる技術まで手に入れて、街は滅茶苦茶になってしまいますが、人が死んでいくわけではありません。行動原理が「正義」ではないですから、ヒーローものというよりは、アクションアドベンチャーというところでしょうか。気軽に楽しく観られます。ルイスの存在も大きいです。 

冒頭の、キャシーと遊ぶスコットが、最高にいいお父さん過ぎて、「自分は、子どもを放っぽって映画を観に来てて、本当にスイマセン」という気分にもなります。 

ただ、お約束のクレジット後のシーンでは、「え!」となります。MCU的には本作の最重要シーンかもしれません。 来年のアベンジャーズ4では、今回の量子世界が、重要なポイントになりそうですね。ドクター・ストレンジが見てきた1400万605通りの未来の中の、たったひとつだけの勝利のストーリーに、どう絡んでくるのでしょう。 

まあ、時間も超越する量子世界まで行ってしまったら、なんでもアリな気もしますが。