ももいろクローバーZのミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」初日を観てきました

いやあ、幕が上がりましたね、「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」

ももいろクローバーZ初のミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」初日公演を観劇してきました。 ストーリーだけではなく、各所の演出にもネタバレ要素が絡むので、ぼやっとした感想をまとめました(まあ、演出の本広さん自身はネタバレ上等主義らしいんだけどね)。 

物語は、こんな感じ。 

高校でダンス部に所属しているカナコ、シオリ、レニ、アヤカ4人が、ダンス大会の前日に、渋谷の交差点で暴走したクルマに巻き込まれ、全員亡くなってしまう…  いきなり、重い、厳しい、険しい


タイトルについて

「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」は、彼女たちが踊ろうとしていた演目です。 私たち世代にとっては、原曲の「Do you wanna dance」は、テレビ番組「夕やけニャンニャン」でCMへのブリッジとして使われていた曲です。今回のタイトルを聞いたときに、「何の番組だったっけかなぁ?」とずっと出てこなかったのですが、終演後思い出しました。 

ただ、根本的な問題として、リアルワールドのダンス部の女子高校生が「Do you wanna dance」を選ぶのか?という、大いなる疑問があったりはしますが、ここは考えないでおきましょう。


これから、ご覧になる方のために、ストーリーや演出には、あまり触れないでおきます(まあ、公式や、ゲネプロを取材した報道で、かなりバレているところはありますが) 。


劇場について

まず、劇場は、元シルク・ド・ソレイユの常小屋だったアンフィシアターの機構をうまく使った演出でした。特に同心円状に回転する舞台で立ち位置が変化する様子は、心の動きを表しているようにも見えました。 扇型かつ、すり鉢状の客席で、どの席からでもしっかりと視界が確保されて、とても観やすかったです。

ライブ会場のようなビジョンはありませんので、演者の表情までしっかりと見たい方は、オペラグラス持参がいいと思います。 


演出について

演出面では、本広さんが事前に「2幕はサイリウム使ってほしい」みたいなことをつぶやいていました。  確かにそういう演出でした。観客が参加をすることを前提で演出されています。

 ただ、この流れで、私は少々不満が残りました。 観客がサイリウムを振るのがダメということではないです。構成とか選曲とか、演出面です。 詳細はネタバレになるので触れませんが、「少なくとも、その曲を使うのはおかしい」と思うところがありました。  


キャストについて

出演者は、ももクロ以外のメインキャストである、妃海風さんとシルビア・グラブさんが、もう圧倒的。「ももクロの曲が、こんな感じに聴こえるものなのか」「これは確かにミュージカルだ」と驚きます。 

メンバーたちも、いつものライブとは歌い方を変えていることが分かります。歌に感情をのせているんですね。そりゃあ、スキルでは本職の皆さんには到底かなわないでしょうが、アイドルの魅力は成長です。きっと、今回のミュージカルでも、いろいろなことを持ち帰ってくれると確信できました。


< トータルの感想>

  2018年は、ももクロだけでなく、他のアイドルグループにおいても、メンバーの脱退・卒業が続いたり、そこそこの活動期間のある中堅とも言えるアイドルグループの解散が続く、後の歴史からみれば一つのターニングポイントといえる年になりそうです。 本作は、そうやって歌い踊り続けることを辞めたアイドル、歌い踊り続けることができなかったアイドルたちに対する、一つのエールでもあるのではないでしょうか。

 いや、アイドルだけではありません。 観ている私たちにとっても「私は、私の舞台で、私のダンスを踊るんだ!」と、そう思わせてくれる作品でした。