映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」

「私たちの懐かしい平成」一番乗りの映画ですね。これに安室奈美恵引退の時期と重なって、ある意味ラッキーというか何というか。  


原作の空気感を、日本にそのまま持ってくるとしたら、60年代とか70年代前半ぐらいまでだろうと思うのですが、それを90年代に持ってくるのですから、全く違うものに仕立てるのだろうと思っていました。 でも、驚くほど、ストーリーはそのまんまでした。 考えてみると、軍事政権から民主化が進もうとしていた時代、自由を自分のものにしようとしてた韓国の女子高校生と、90年代の日本の女子高校生の全能感、無敵感は、共通するものがあるのかもしれませんね。


 そこで、相性がよくないのが「闘争」。 プールでのバトルシーンなんて、喧嘩とも言えないようなもの。スローモーションにして、とってつけた感がハンパない。 当時の女子高校生の風俗についてはよく知りませんが、グループ同士の諍いは、もっと違う表現があったでしょうに。  


根本的なところですが、タイトルは「SUNNY」を継承する必要なかったよね。原曲は出てこないんだし。ヒットした韓国映画ですが、少なくとも日本でリメイクするうえでは大根監督や篠原涼子や広瀬すずのネームバリューの方が上でしょう。原題に、こだわる必要はないはず。 あの時代の女子高校生が、自分たちのグループ名としてこのワードを選ぶ? あんな理由で?


 あと、水を飲みに行って…のパターン、繰り返す必要ある?


 原作は、結末について、2点好みではない展開がありました。 1点目については、ほぼ同じでしたが、今作のガチャガチャした感じなら、それほど違和感がなく、まあ、それでまとめてもいいんじゃないの、と感じました。 もう1点目は、本編ではありませんが別の形で、彼女にもある意味救済があったので、この点は良かったです。