映画「検察側の罪人」

予告編の「検事でいる意味がないっ!バン!!!」が、なんだかクソダサいなぁと思っていたら、それはそれで意味があったんですねぇ。このシーンの後が、この映画の最大の見どころです。

テーマとしては、「正義は、法の限界を超えても、なお正義なのか」ということでしょう。

ピカレスクロマンではないんですよね。「罪は犯していても、悪いことはしていない」という…ね。

原作未読なので、どこまでがオリジナルなのかは分かりませんが、自らの正義を信じて、真実に目を背け暴走するところなんか、一連のSMAP解散劇の中での木村拓哉の立ち位置をトレースさせたところもあったのかな、と思ったりもします。

まあ、事務所が制作陣に名を連ねているので、そんなはずはないのですが。

では、二宮演じる沖野検事が主人公なのかというと、彼は彼で危うい。いつ、どっちに転んでもおかしくはない。「大人の度量じゃない」とたしなめられるところ、よかったですねぇ。

昨今の政治状況であったり、歴史的な失策のインパール作戦の話題を盛り込んだり、その意図はよく理解できます。ただ、それがこの映画を豊かにしているかというと、あくまでも付け足しでしかないと思うのですよ。もっと、本質的にえぐってくれれば、また違った感じになったのかな、と思います。丹野の最期なんて、結局、あいつらのストーリーに乗っかっただけじゃない?

ところで、ビジホの窓って、あんなに全開になる?